■ 抄録・要旨
| 近年、生ごみなどのコンポスト資材となる有機性廃棄物は多様化しており、その品質評価の重要性が増している。腐熟度はコンポストの重要な品質の一つであるが、汎用的に適用できる単一の腐熟度指標や複数の腐熟度指標を適切に組み合わせて評価する標準的な方法は確立されていない。本研究では、単一指標の開発という従来のアプローチに代わり、複数の腐熟度指標の組み合わせやその統合指標を構成する手法について検討した。素材や腐熟度が様々に異なるコンポストについて、複数指標値を比較したところ、同一試料でも、不適切な評価が生じる場合があった。そこで、測定指標値に対して、指標統合化手法の一つである主成分分析を行った結果、統合指標として、第1主成分スコア、距離、その簡略指標などを提案・評価した。これらの統合指標では、複数指標の統合化により、単一指標による不適切な評価は緩和され、より汎用的な指標として利用できると考えられた。
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